プラムのかわりにビワを冷やして

詩人・カルロス ウイリアムズ(William Carlos Williams)を気取ってみようっと。

ビワのシーズンは5・6月ということできょうは初物です。6月にもう一度食べられたらいいな。と思いながら、ほどよく冷えた茂木ビワを冷蔵庫から出す。そして、食べながらウイリアムズが朗読する「This Is Just to Say」を聞いていると、もうここは1934年のニュージャージー州だな。

題名は「ちょっと言っておくね」くらいの意味なんでしょうか? 「ice-box」は氷を使う冷蔵庫(懐かしいな)。アメリカでは1930年代まで使われていたようですね。日本でも昭和30年代までは使われていた(使っていた)と思う。

最近、ひょんなきっかけからウイリアムズってこういう詩風の人だったんだと教えられた。名前だけは昔から聞いていたが、自分は長い間冷凍していた詩人だったんです。名前を知ったきっかけはアレン ギンズバーグ(Allen Ginsberg)の「吠える」(Howl and Other Poems)の序文を書いた人としてですね[1]。このときまったく勘違いして、ウイリアムズはビート詩人だと思い込んでしまったのでした。「ビートニクはもういいや」ってパスしたまま時間が経ってしまった。でも冷凍してあったから、いま解凍しても新鮮にいただけます。

 

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朗読:

テキスト:

ice-box:

Icebox - Wikipedia

 

[1]『吠える 諏訪優評論集』他人の街社、1970
※諏訪さんが訳したウイリアムズの序文最後の1行はよく覚えてます。
 (以下、上記書籍より引用します。)
 婦人たちよ、わたしたちはこれから地獄を通りすぎるのだ。ガウンのすそをからげなさい。